ビール大手カールスバーグ 中間決算増収増益も、増税を懸念

ASEANビジネスニュース

8月17日、マレーシアビール大手のCarlsberg Brewery Malaysia Berhad(カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシア)が6月中間決算を発表した。それによると、売上高は前年同期比7.4%増の9億1,478 万リンギ、純利益が12.2%増の1億2,831 万リンギだった。

ラース・リーマン社長は「今年上半期は、市場の動きが緩やかになるなか、プレミアムブランドの販売数が22%増えた。下半期も同様に2桁の成長を見込んでいる」と評価する一方で、10月に発表される政府の来年度予算案に言及し、酒税の増税は密輸品の増加につながると懸念を示した。

 

 

【THE KLの視点:マレーシアのビール産業】

アルコールを摂取しないイスラム教徒が人口の約6割を占めるマレーシアだが、中国系、インド系などのなかにはアルコールを好む人も多く、実際、マレーシアには二つの大手ビールメーカーがある。

一つが、上記のデンマーク系カールスバーグ・マレーシア。「カールスバーグ」のほか、フランスの「Kronenbourg(クローネンブルグ)」などの銘柄を醸造し、主にマレーシアとシンガポールで醸造、販売している。日本の「アサヒスーパードライ」も、カールスバーグ・マレーシアが生産、販売、マーケティングを委託するライセンス契約をアサヒビールと締結し、2011年からマレーシアでの販売を開始している。

もう一つの大手ビールメーカーが、オランダ系のHeineken Malaysia Berhad(ハイネケン・マレーシア)だ。「ハイネケン」以外では、「Tiger(タイガー)」「Anchor(アンカー)」といった東南アジアで人気の銘柄のほか、アイルランドの「Guinness(ギネス)」や「Kilkenny(キルケニー)」といったプレミアムビールも醸造、販売している。