BAKERY CAFE HACHI-惣菜パンがおいしい憩いの場

ハチベーカリー

スリハタマスに昨年12月オープン

日本人居住者が多いモントキアラ地区からほど近いハタマスショッピングセンターに、昨年12月にオープンしたばかりの「ベーカリーカフェハチ(以下ハチ)」。

ここでは「だてちゃん」こと伊達千波さんが、毎日丁寧に焼き上げた食パンとお惣菜パンが大人気。グランドオープンからわずか2カ月ほどだが、おいしいパンの噂は瞬く間に広まり、週末には営業時間内に商品が売り切れになってしまうほどだ。

 

 

BAKERY CAFE HACHI末広がりで縁起のいい日本語「八」から付けた店名。マレーシアの人にも覚えやすい

 

 

 

こだわりの湯種食パン

ハチで一番の人気は湯種(ゆだね)食パン。
湯種とは熱湯で小麦粉をこねたてひと晩寝かせた生地のことで、これを種に作られたパンを湯種パンと呼ぶ。熱湯に粉を合わせることでデンプンが「糊化」という現象を引き起こすため、湯種パンはもっちりとした食感になるだけでなく、粉本来が持つ自然な甘味と旨味をひき出すのだ。

 

 

ベストセラーの湯種食パンベストセラーの湯種食パン

 

 

また、通常より10%以上の高加水生地に仕上げることで、ソフトで時間が経っても硬くならないのが、ハチの湯種食パンの特徴だ。

そのままでも温めてもおいしいく、サンドウィッチやトースト、フレンチトーストなど、いろんな食べ方が楽しめるのも人気の理由ではないだろうか。

 

 

 

海外在住者にはうれしいガッツリ系のお惣菜パン

湯種食パンの生地を派生させて焼いたコッペパンに、さまざまなお惣菜を挟んだハチのお惣菜パン。これがまた絶品!

 

ベーカリーカフェハチの惣菜パン焼きそばパン

 

 

伊達さんがシンガポールの大手日系ベーカリーに勤務していた時のこと、現地に住む日本人の家族にどんなパンが欲しいか聞いてみた。すると、コロッケパンやカツサンド、焼きそばパンなど日本を代表する「お惣菜パン」との声が多く挙がった。

当時、伊達さんが勤めていた会社の規則により、こういったお惣菜パンを提供することは叶わなかったが、そんな経験も踏まえ、ハチでは食パンやバゲットなどのベーシックなパンを中心に20〜30種のパンが並ぶなか、そのうちの5種はガッツリお腹を満たすお惣菜パンが占めている。

 

コロッケパンや焼きそばパン、魚のフライをサンドしたパンが売れ筋で、挟むお惣菜はもちろん、ソース類まですべて自家製と一切妥協しない伊達さんの職人っぷりには脱帽だ。

 

 

 

カフェメニューはマレーシア人にも大人気

オープンから約1カ月、常にお客さんの声を意識しながら働いた伊達さん。カフェメニューの改良にも手は抜かない。

例えば、オープン当初のモーニングセットはメインとなるパンにヨーグルトとサラダが付き、ドリンクは別であった。
「セットはドリンク付きがいい」との声を受け、値段を以前とほとんど変えずに、ヨーグルトをセットから抜き、ドリンクを加えた。

 

朝食時に人気のフレンチトーストは甘さを極力抑え、お客さんが自分の好みで甘さを調整できるよう、メープルシロップを添えてテーブルへ。

ハチではお客さん目線に立って気配りする、伊達さんの細やかな気遣いが随所に感じられるのだ。

 

 

ハチのモーニングセットフレンチトースト

 

 

日本人だけでなく、マレーシア人のファンも多い。特にボリューム満点、6種のバーガーメニューは大好評。バンズはもちろん、パテ、ソースもすべて自家製だ。

甘いパンが好まれがちなマレーシアだが、ハチでは甘いパンが極端に少ない。

他店との「違い」をはっきりさせ、「ハチらしさ」を出している。これは自家製ソースもしかり。甘さに頼らず濃厚な日本の味を見事に再現している。これが、マレーシア人のツボにもはまったようで、毎日バーガーを食べに通うお客さんもいるんだそう。

特にマレーシア人に受けたのがチキンカツサンドとアボカドわさびバーガー。「No Pork, No Alcohol」だからムスリムの客足も絶えないという。

 

 

 

「だてちゃん」ならではのユニークなマーケティング

パン職人として、8年間日系大手ベーカリーに勤務した伊達さん。最後の3年はシンガポール店で管理職を務めた。前職では学ぶことが多くあり、やりがいを十分に感じてはいたのだが、「やっぱり自分の手でパンを焼きたい!」と辞職を決意。

マレーシアで店を開かないかとの誘いを受け、あれよあれよと言ううちに、ハチのオープンへこぎ着けたのだ。

 

 

パン職人「だてちゃん」こと伊達千浪さんパン職人「だてちゃん」こと伊達千浪さん。日々忙しいお母さんが、気軽にひと休みできる、安らぎのカフェづくりも。

 

 

店ができるまでの間、テストキッチンにて試作品を作り続けた伊達さんは、明太フランスと塩パンをセットにし、開店のお知らせを添えて近所のお店やモントキアラ地区で挨拶がてら無料で試作品を配って歩いたのだ。

これが大成功!「だてちゃん」のパンを1度でも食べた人達は、オープンを待ち望み、そして、「おいしいパン屋さんがもうすぐできるよ!」と噂を広めていったのだ。

 

オープン当初はてんてこ舞いで、予定していた商品ラインアップが出し切れずジレンマに襲われたことも。

現在は着々と商品数を増やし、手作りジャムやスイーツなども店頭に並んでいる。

 

手作りジャム手作りジャム

 

 

パン職人として10年の経験を持つローカルスタッフやアシスタントの育成をこなしながら、お客さんが喜ぶパン作りに専念する伊達さん。作れるものは極力自家製にこだわる伊達さんを見て、一生懸命、彼女の背を追うローカルスタッフの働きぶりにも感心した。

ハチがクアラルンプールのベーカリー業界に新風を吹き込んだことは間違いない。

 

 

 

【企業名】 BAKERY CAFE HACHI(ベーカリーカフェハチ)
【住所】 P-07B, Plaza Ground Floor, Hartamas Shopping Centre, Jalan Sri Hartamas 1,
Taman Sri Hartamas, 50480 Kuala Lumpur
【電話番号】 603 6206 2668
【営業時間】 AM8:00 - PM9:00
【定休日】

不定休

【予算】 朝ごはんRM12.80~、フードRM13~
【喫煙】 屋外席あり
【Facebook】 https://www.facebook.com/BakeryCafeHACHI/

※掲載内容は20182月時点の情報です。