マレーシアの銀座ブキッビンタン地区にのれんを掲げる

料理はその人の生き方を表し、創る人の愛を表現した結果といえる。
まさしくこの愛を体現するかの如く、一品一品にやさしい気持ちが込められ、訪れる者をほっとさせてくれる本格的な日本料理店がマレーシア首都クアラルンプールのブキッビンタンにある。

 

 

 

 

東南アジアでの事業展開の布石として開業

今回ご紹介する華家は、高級ブティックや多国籍の飲食店が軒を連ねにぎわっているブキッビンタンにあるGrand Millennium Hotel Kuala Lumpur(グランド ミレニアムホテル クアラルンプール)のロビーのつきあたりの奥まったところに店を構えているが、中からこぼれる明かりと店が放つ艶は、大通りから逸れて路地にのれんを掲げる祇園の料亭に似ている。
2015年に開店した華家は、オーストラリア国内に和食レストラン60店舗をもつ日本人起業家が、東南アジアでの事業展開の布石としてクアラルンプールを選んだことに始まる。

 

 

 

 

新鮮な素材で季節を表現

大阪生まれの料理長大庭(おおば)は、日本料理を極めるために京都祇園で修業した後料理人として勤めていたが、友人が携わっていたレストランの立ち上げを手伝うため、クアラルンプールへ。

料理の考案、創作、そして、厨房からホールスタッフと料理人を統括して、店全体を仕切っている。 「お客様にお出しする前に必ず料理ひとつひとつの味を確認します。」と答える大庭が手掛けるおまかせコースは、日本の風景、季節、行事などからヒントを得るだけでなく、国籍を問わず誰でも楽しめるように素材の組み合わせ、味付けや盛り付けに工夫が凝らされている。

 

華家では日本の四季を感じてもらえるよう月替わりで8品構成のお任せフルコースと6品構成のお任せライトコースを提供している。今回の取材で頂いた6月のコースの先付けは「さっと焼いた北海道帆立ほんのり桜チップの香りで」であった。

氷の宝石箱を彷彿させる器を開けると、あさりのだし汁じたてのカリフラワーのピューレをクッションに、柔らかくジューシーに焼めが入れられたホタテがのせられている。

 

 

また季節の八寸は、青と赤のゼリーを組み合わせて表現された6月の花であるアジサイが紫色につややかに輝き、かわいい朱色のサクランボは、サツマイモをこして粒にしたものとトマトを秘伝のソースで煮込んだものが用意された。

 

 

 

樹齢350年のヒノキ一枚板のカウンターでいただく贅沢

日本から直送の新鮮な魚をネタに、木村のにぎる姿をみながら樹齢350年のヒノキの一枚板のカウンターで贅沢にいただく。

また、カウンターの後ろに設置された日本古来からある冷蔵方法を再現した特注の冷蔵庫。その中にきれいに寝かせられているネタは、ほどよく冷たく魚の味がまろやかに口の中で広がる。

 

 

 

 

日本人が自然と身に着けている四季の感性に響く料理の数々

季節を身近に感じることが少ないマレーシア。華家の料理の数々は、器という小さく限られた空間に四季折々の風情が表現され、日本人が自然と身に着けている四季の感性と共振する。季節をどのように表現するのか。次月のお品書きが今から楽しみである。

 

 

 

 

【店舗名 】 華家 HANAYA JAPANESE DINING
【住所】 Lobby Floor, Grand Millennium Kuala Lumpur, 160 Jalan Bukit Bintang, 55100 KL
【電話番号】 603 2110 5499
【営業時間】 火~日 AM11:30 – PM2:30 / PM6:00 – PM10:30
【休業日】 月曜日
【予算】 おまかせフルコースRM350++(目安)とおまかせライトRM280++(目安)はディナーのみ。その他ランチ、アラカルトメニュー各種有
【個室の有無】 1部屋
【喫煙】 1部屋
【WEBサイト】 http://sushitrain.com.my/hanaya/