リッツ・カールトンクアラルンプールのスパ

KLの喧噪から、静寂へ

The Ritz-Carlton Kuala Lumpur(ザ・リッツカールトン・クアラルンプール)。KLの5つ星ホテルの中でも、レストランやスパなどトータルクオリティの高さから、宿泊客以外の利用者も多い。メインロビーの白と黒の大理石は、艶やかに重厚感と気品を象徴している。今回は、この“リッツ”のハイクラスなゲストを魅了する極上スパ、Spa Village(スパビレッジ)を訪れてみた。

エレベーターでSpa VillageのあるLevel4へ。受付に進むとレセプショニストが席を立って出迎えてくれた。左側にはサロンプロダクトや雑貨がおいてあるギフトショップが。トリートメントの後にゆっくりとみるとしよう。 マネージャーのSandyが笑顔で現れ、スパ全体を案内してくれるという。まずはスパゲストも利用できるプールへ。チェアも並んでおり、アンブレラの下でゆっくり読書を楽しみたくなる。またテラスにはシグニチャーのMalay Foot Steaming(マレー式フットスチーム)がセットされている。暖かい風を感じながら受けるフットスチームとマッサージはさぞ心地よいだろう。 リゾート風の白い壁、青い空そして中庭のグリーンを視野におさめると、今都会の真ん中にいることを忘れてしまいそうになる。

各トリートメントルーム(ツインルーム×6部屋、シングルルーム×2部屋)にはシャワー、バス、トイレが完備されたプライベート仕様。なにより、大きなガラス戸越しに見える中庭への奥行もあいまって、隠れ家にいるような気持ちにさせてくれる。

 

 

マレーシア発 YTLグループ傘下の高級スパブランド

Spa Villageの歴史は2002年、パンコール・ラウトでの誕生に始まる。マレーシアの一大コングロマリット、YTLグループ傘下にあり、KL市内の複数の系列スパ(The Ritz-Carlton, JW Marriott内のスパ他)もその事業の一部に含まれる。今年後半には、サムイ(タイ)にもオープンが決定している。

そのコンセプトに掲げるのはマレーシアの歴史と文化への敬意。“East meets West”と“温故知新”を追求し、手技や道具に中国、東南アジア、そして西洋のテクニックを取り入れている。またオリジナルブレンドのマッサージオイルボトルにはマレー系、中華系、インド系の女性のイラストが象徴的に描かれ、細部にもコンセプトのこだわりを感じることができる。

 

 

 

メニューは豊富で、特に3時間のカップル用またはシングル用コースが充実しており、個別メニューのフェイシャル、ボディ、ヘア、ネイルも各種揃っている。その中からいくつかご紹介してみたい。

Chinese Peranakan Treatment 3hs(チャイニーズ・プラナカン・トリートメント/ 3時間)は、マレーシア×中国の伝統的な手技、薬草を使った美顔中心のメニュー。ミルクネクターメディテーション、パールとライスパウダーのフェイシャルトリートメント、卵を使った伝統的顔マッサージ、桑の葉のアイケア、腹部(へそ)のモグサ灸、血液の循環を促すラタンタッピング、そしてジンジャーティーをいただいて終了。まさに2つの文化のマリアージュといえる興味深いメニューである。

 

 

 

身体をほぐすボディトリートメントには、東南アジアの手技が堪能できるCampur-Campur 2hs(チャンプル・チャンプル/ 2時間)を。タイ式ストレッチとマレー式オイルマッサージに加え、生のレモングラスとパンダンリーフをチョップして蒸したフレッシュなハーバルボールによるケアで、内部からもリラックス効果を促す。

 

 

 

そしてシグニチャーとも言うべきSensory Sound Bath 1.5hs(センサリー・サウンド・バス/ 1.5時間)では、瞑想体験と心身の調和を。

「部屋の仕様から特別」だ、というのだが、百聞は一見にしかず。一歩、中に入ってその意味をすぐに理解した。天井に浮かぶ幻想的なライティングと、低音の音楽からくるバイブレーションが空間全体、そして足元からも伝わってくることに感激する。

タイ式とすいな(中国伝統医学の手技)マッサージで深部にある筋肉の緊張をとり、続いて背面にホットストーン、そして頭部はマルマ(アーユルベーダのツボ)を中心にマッサージ。心身ともにリラックス状態を迎え、ラスト10分間はSound Bathで全方向から振動のシャワーを浴びる。

終わる頃には、身体と神経が緊張から解かれ、リラックス効果と心身の活力が同時に得られるという。

 

 

 

極上のTun Teja(3hコース)で全身トリートメント

今回は、美の象徴とされるTun Teja(トゥン・テジャ)の名をもつ女性用のコースを体験。

照明がぐっと落とされたウェイティングルームで、ビタミンCたっぷりのカラマンシージュースをいただきながらトリートメントルームへの案内を待つ。セラピストに誘導され、中庭付の優雅なツインルーム(※通常、シングルゲストはシングルルームの利用)へ。清潔感のあるホワイトモダンな部屋に置かれたベッドには鮮やかなソンケットがかけられ、アジア文化を感じるしつらえに。中庭には、シャワーもあり、真っ白なバスタブがインテリアのように置かれていてなんとも開放的である。

バスローブに着替え、2種類のオイルから好みのオイルをフラワーフットバスに数滴。エアコンで冷えた足先に湯のマッサージが心地よい。フットバスの最後は、ハーフカットのカラマンシーを使って果汁で肌をやさしくなで仕上げる。

 

 

 

Tun Tejaで使われる自然素材がベッドサイドに美しくセットされていた。トリートメントオイル、フェイシャルトーナー他、フェイススクラブには、エクスフォリエーション効果のあるホワイトクレイ、ライス、ターメリックを使用。マスクには肌を鎮静化しキメを整えるというライス、パンダンリーフ、ジャスミンをブレンド。またヘアトリートメントには、ヘアクリームにたっぷりのセサミオイルを混ぜながらもみこむ。

 

 

丁寧な全身のオイルマッサージ、フェイススクラブとパック。続いてベッドに横たわったままヘアトリートメントに。セサミオイルをからめならがクリームを地肌からゆっくりとなじませ、頭皮マッサージ。ヘアクリームを浸透させるためにタオルを巻いて、そのまま仕上げのボディスクラブへ。 まさに“Head to Toes”の全身ケア。ここまでで2時間半くらいだろうか。この後は中庭でプライベートタイムとなる。シャワーで全身を洗い流し、ローズぺタルとカラマンシーが浮かぶハーバルバスにつかり、デトックスハーブティを楽しんだ。 最後は、部屋の中にあるスチームボックスに座り、全身を温め終了となる。

 

 

何度も訪れたくなる確かな技術と豊富なメニュー

最後にクッキーとお茶をいただきながら、担当のセラピストに御礼を伝えた。丁寧に“Ms.〇〇,” と呼びかけるマナー、部屋の温度やマッサージの好みの圧を事前に確認する気配り、そして高い技術力。

全身のコリとむくみがとれ、顔からつま先まで肌は柔らかくトーンアップし、髪の毛も毛先までしっとり。極上の体験であった。

次回はスパゲストとしてプールも利用し、半日リッチな自分時間を過ごしてみたい。

 

 

【店舗名 】 Spa Village Kuala Lumpur(スパビレッジ クアラルンプール) (Level 4 The Ritz-Carlton)
【住所】 The Ritz-Carlton, Kuala Lumpur
168 Jalan Imbi
55100 Kuala Lumpur
【電話番号】 603 2782 9090
【営業時間】 AM 10:00 - PM 9:00
【休業日】
【予算】 Sensory Sound Bath 1.5hs RM450, Tun Teja(Ladies) 3hrs RM990, Campur-Campur 2hrs RM645 他ペアメニュー、個別メニュー各種
【個室の有無】 Twin Room × 6部屋、Single Room ×2部屋
【喫煙の有無】
【WEBサイト】 http://www.spavillage.com