日本では、ピューター製のビアマグが人気のマレーシアのブランド、Royal Selangor(ロイヤルセランゴール)。
スズを主成分とする合金「ピューター」を使ったテーブルウェアやアクセサリーは世界的に有名だ。
マレーシアと共に発展してきたブランド
このRoyal Selangorの歴史は、マレーシアの歴史に深く関わっている。
かつて、マレーシアはスズの産地として世界的に知られており、中国から移民してきた多くの人夫たちがスズの鉱山で働いていた。
Royal Selangorの創業者であるヨン・クーン(Yong Koon)も、1885年に中国山東省の港町、汕頭からマレーシアに渡ってきた中華系移民だった。
ブリキ職人として働き始めたヨン・クーンは、1942年、Royal Selangorの前身である「Selangor Pewter(セランゴールピューター)」を創業。
当時は、マレーシアを占領していた日本軍向けの製品も作っていたという。
戦後の1979年、セランゴール州のスルタンから御用達のブランドとして認められ、1992年に「Royal Selangor」と改名する。
現在では、世界最大のピューターメーカーとして年間約100万個近い製品を生産しており、日本にもオンラインショップがあるなど人気も知名度もある。
観光スポットとしても人気のビジターセンター
Royal Selangorの製品はマレーシア各地にあるショップでも購入できるが、観光スポットとして人気なのがクアラルンプール郊外のビジターセンターだ。
かつて、スズがどのように発掘されていたのか、ピューターがいかに柔らかく、加工しやすいか、スズが歴史的にどのように使われてきたのかなど、ミュージアムと工場の見学を通じて楽しく知識を得られる。
ガイド付きのツアーは無料で予約は不要。所要時間は30分程度。
日本語ができるスタッフがガイドを担当することもある。
ツアーの最後は、定番の人気アイテムから最新のデザインまで、さまざまなアイテムがディスプレイされたショールームでショッピングを楽しめる。
また、ビジターセンターの中庭にある世界最大の巨大なビアマグは、記念撮影スポットとして人気だ。
マラッカ王朝時代には、ワニやカニ、カメなどの形をしたスズ製の貨幣が使用されていたという。
スズの加工を体験できるワークショップ
ピューターの加工に挑戦できるワークショップもおすすめだ。
子ども連れなら昔ながらのピューターの成形を体験できる「School of Hard Knocks」が喜ばれそう。
School of Hard Knocks:所要時間約30分、RM65/人、最小催行人数2人、日本語による説明も可能。修了証明書付き。
女性には、溶かしたピューターを型に入れて成形し、磨いてアクセサリーを作る体験ができる「The Foundry」がおすすめ。
マレーシア滞在のいい記念になりそうだ。
The Foundry:所要時間約60分、15歳以上限定、RM180/人、最少催行人数2人。説明は英語。
※一番上の写真のティーポットは、戦時中、ある男性の命を銃弾から救ったという逸話を持つ「The Lucky Teapot」として知られ、ブランドのアイコン的アイテム。
【店舗名】 | Royal Selangor(ロイヤルセランゴール) |
【住所】 | 【 Royal Selangor Visitor Centre 】 4, Jalan Usahawan 6, Setapak Jay, 53300 Kuala Lumpur, Malaysia |
【電話番号】 | 60 3 4145 6122 |
【営業時間】 | AM 9:00 - PM5:00 |
【入場料】 | 無料 |
【休業日】 | 無休 |
【WEBサイト】 | https://my.royalselangor.com/ |
※掲載内容は2018年5月時点の情報です。