首都KLの中心地、KLCC公園沿いに建つTHE TROIKA(ザ トロイカ)の24階に、Troika Sky Dining(トロイカスカイダイニング)がある。

 

 

 

THE TROIKAのデベロッパーの所有する最上階に、マレーシアでフレンチ料理の第一人者として知られているChristian Bauerが監修するレストラン・バー5軒、COPPERSMITH(コパースミス)、STRATO(ストラタ)、fuego(フエゴ)、CLARET(クラレト)、CANTALOUPE(カンタロープ)が、1つの空間にきれいにおさまっている。

今日は月ごとにランチメニューが替わるフュージョン・フレンチ料理のCANTALOUPEを訪れた。

 

 

 

 

リフトを降りると、パーソナルアシスタント風のレセプショ二ストが電話の受話器を置き、暖かく出迎えてくれた。24階下の建物や小道が迫る景色を後ろに、ミニマリストに抑えた装飾ないデスクの上には予約表とペン、白いランの花が置かれている。リフトロビーを抜けるとバーカウンターが見えてくる。その背後の窓から雨上りのKLのスカイラインがうっすらと姿をみせている。

 

 

 

 

ロフト調の天井を見上げながら、さらに両サイドガラス張りの連絡橋をわたると、CANTALOUPE店内のダイニングテーブルやソファーが、訪れる者が心地よく過ごせるように、さりげなく配置されているのに気付く。モノトーンでまとめられた内装は、シンプルでモダンな空間を作り上げ、フレンチらしく料理を際立たせ、すべてがおもてなしのこころにつながっているかのようである。

 

 

 

 

お昼のコースメニューは、前菜、スープ、口直しのシャーベット、メイン、プレデザート(アヴァン・デセール)、デザート(グラン・デセール)というフルコースであるが、ポーションは適切で、かつ、プレゼンテーションが美しい。一つ一つ楽しんで愛でながらいただいた料理をご紹介しよう。

 

Gambas Bisque (小エビのビスクスープ)

エビを殻ごと香辛料とソテーし、さらにスープとクリームで煮込んでいるので風味ともに濃厚。また、スープに添えられたエビの頭とシッポのさっくり感と、びっこのプチプチ感、イカ墨のトゥイル(フランス家屋の屋根のタイルのような形のウエハース)のサクサク感が、濃厚でなめらかなスープと絶妙にあう。

 

 

 

 

Zucchini (ズッキーニ)

調理が難しいズッキーニの蕾の中に、リコッタチーズをいれてカラッと揚げている。くどくなく、あっさりとした塩味で、レモンキャンディ(ほんのり甘いレモンピール)と香ばしいタイムが宝石のようにちりばめられ、こんがりローストされたシャロットがアクセントとなって、個性的なビスクスープから、次の料理(メイン料理)へと自然に気持ちをもっていく演出がうまい。

 

 

 

 

King Crab (キングクラブ) 

キングクラブの素焼に、ローストもしくはうっすらと小麦でコーティングされた揚げ西洋かぼちゃ、椎茸及びガーリックコンフィが添えられた料理。殻のまま焼かれているキングクラブは、カニの風味が凝縮されジューシーであり、同じ食材でも、調理方法を微妙に変えて添えられているかぼちゃは、ほくほくとして、どちらも対照的な触感ではあるが美味である。

 

 

 

Peppermint (ペパーミントシャーベット) 

ペパーピントシャーベットのグリーンと上にのせられたチョコレートムースは、のど越しがよく、シーフードを堪能した後の口直しとなる。

 

 

 

 

Risotto (リゾット) 

個人的に一番好きな料理であった。色彩、歯触り、味すべて美しくバランスが取れている。赤かぶのリゾットはお米がひとつひとつふっくらとしていて、パールのよう。その上に赤かぶ仕立ての薄紫色のクリアスープがヴェールのようにかけられている。新鮮ないくら、素揚げハスチップスとグリルされたタコのスライスをトッピングにしていただく。

 

 

 

 

 

Lamb(羊料理)

火を入れるのが難しい羊肉を中までテンダーに焼きあげているのだが、さらにグリーンピースを粉状にしたパウダーでコーティングして、森の切り株に見立てている。また、付け合わせのマッシュルームのピクルスの程よい酸味が、羊肉の味をひきたてる。ピスタチオ、ニンジン、豆のピューレもそれぞれ彩鮮やか。

 

 

 

 

Strawberry(苺)

特製ソースでマリネした新鮮な苺を下層に、ややリッチなクレモア(プリンのようなクリーミー)と苺味エスピュマ(シャンパンのようなバブリーなフォーム)がのっているアヴァン・デセール。

 

 

 

 

Pinacolada (ピナコラダ)

グラン・デセール。南国の花を彷彿させるようにスライスされたパイナップルといっしょに、きめの細かいココナッツ味のフォームに胡椒が隠し味で使われているエキゾチックな味わい。カンタロープ特製のスイーツでコースの締めをくくる。

 

 

 

 

白いジャンバスに見立てた陶磁器の皿に橙色、若葉色、桃色、緑色、薄紫色、モスグリーン、赤色、黄色と料理ごとに色を食しているかのようであった。

次回は、月替わりメニューを考えて調理しているシェフについて紹介したい。

 

 

 

【店舗名 】 Cantaloupe French Fusion Restaurant(カンタロープ)
【住所】 Level 23A, Tower B,The Troika,19 Persiaran KLCC,
50450 Kuala Lumpur,Malaysia
【電話番号】 603 2162 0886
【営業時間】 Lunch:PM12:00 - PM2:00
Bar:PM5:00 - PM12:00
Dining:PM6:30 - PM10:30 (last orders)
【定休日】 ランチは土日休み、ディナーは不定休
【予算】 ランチ:RM 140++から
ディナー:RM280++から
【喫煙】 -
【WEBサイト】 http://www.troikaskydining.com/cantaloupe/