資産コンサルタント会社ナイトフランク・サンドンBhdば、マレーシアの不動産市場の減速が底を打ち、今年後半には不動産価格が上昇すると見込んでいる。
ナイト・フランク社発行の「ウェルス・レポート」(「The Wealth Report」)によれば、ここ数年間、市場収縮が続く中で、投資家にとって一番の懸念材料が政治的な不透明性であるという。
この報告書によると、アジアの回答者のうち25%が「政治的な不透明感」を挙げているとある。
また、年内にも選挙が終われば、市場に積極的な動きが戻る為、マレーシアで不動産を購入する良い時期は今である。 通常、選挙が終わると経済はもち直おし、消極的な市場のセンチメントは改善する。また、資本の流入もあるであろうとナイトフランク・サンドンBhdのマネージングディレクター、サルクナン スブラマニアムは述べた。
報告書によると、アジアの回答者30%にとって、資産価値の潜在的な低下が最も高い関心事であり、次に税率の引き上げと資本移動の管理の厳格化が、それぞれ28%と27%となった。
サルカナン氏は「今後も、手ごろな価格の住宅が、市場の原動力となるであろうが、中・高級住宅市場も回復するだろう。MRT(Mass Rapid Transit)ラインが市街地と郊外を結ぶことにより、市街地の商業市場も活気づくであろうと述べた。
サルカナン氏は、過去10年間、地方分散が進んでおり、MRTラインが開通することにより、郊外から都心に移動する都心通勤者が増え、ライトレール・トランジット鉄道(LRT)やダマンサラ・ハイツ(Damansara Heights)などのMRT路線上のマンションの価格が持ち直している事も指摘した。
ナイトフランク2017ウェルス・レポートは、アジア太平洋地域の19都市を含む世界の100カ所の高級住宅の価格について調査した結果、世界的な高級住宅の価格が2015年で1.8%の伸びたのに対し、昨年は平均して1.4%の上昇。アジアでは5.1%上がって、世界第2位の伸び率となった。