香辛料貿易で、かつて東洋のベニスと称されていたマラッカの沖合に建設が進んでいる巨大深海港。地元中華系企業と中国企業が共同開発しているマラッカゲートウェイの一環である。
One Belt One Road(一帯一路)スローガンの下、中国は過去10年間マレーシアの湾岸建設に出資を行ってきたが、中でもマラッカは、中国石油船舶の80%が通過し、商業的のみならず戦略的に重要な地とみなされている。
2014年から地元企業KAJ Developmentが手掛けてきた同プロジェクトは、2016年9月にPowerChina(中国電建集団国際工程有限公司)からの増資を受け、2019年の完成が急ピッチで進んでいる。
深海港とは別に、クルーズ専用ターミナル及び広大なウォーターフロントの建設が同プロジェクトに含まれる。
又、マラッカの近郊に125億リンギットを掛けて建設中の石油船舶専用のクアラリンギ国際港(Kuala Linggi International Port)も、中国からの出資を受けている。
中国が見据える東南アジア地域の消費者動向と緊迫している海上安全保障上の問題で、主要海上交通路の足掛かりを確保し 、かつ、コンテナの積み替え拠点として世界一を誇る隣国シンガポールへの挑戦として受け取られる。
情報:The Star