昨年、マレーシア証券取引所主催の投資セミナーが日本で行われた際に、サイム・ダービー社、ゴム手袋メーカーのトップグローブ社とコンドームメーカーのカレックス社が注目銘柄として取り上げられたのだが、これら上場企業の規模とクオリティに驚いた聴講者がいた。
むさし証券のマネージングディレクター、原田芳孝である。原田氏は同セミナーに参加する前に、世界最大のコンドームメーカーがカレックスであったり、世界最大のゴム手袋製造会社がトップグローブである事実を知らなかったそうだ。
「昨年7月、マレーシア証券取引所が、日本の個人投資家向けのInvestor Relations(IR)プレゼンテーションに3社を参加させているが、マレーシアの企業が日本でIRを行うことは非常にまれである」と同氏はThe Edgeのインタビューに答えた。
むさし証券は、中堅証券会社。原田氏によると、マレーシアの上場企業の日本市場に与える影響は大きくはないが、マレーシア証券取引所が今回紹介した3社への日本の投資家の関心は高かい。
同セミナー後、個人投資家から購入依頼を受けたのだが、マレーシアにパートナーがいなかった為、提携会社を探した。そして、地元マーキュリー証券と提携し、3年前に日本初のシャリア特化ファンドをはじめた。
むさし証券は、その運用資産である3000万ドル(1億3200万リンギット)の大半を、経済が着実に成長し、シャリア準拠している株式が集まるマレーシアに投資している。アセアン地域内の人口増加や中流所得層の成長と共に、マレーシアの株式市場は、海外投資家からさらに注目されるであろうと述べた。
マレーシア株式市場の魅力は、マレーシア経済が、イスラム圏諸国の経済と中国経済が融合して生まれたハイブリットであり、アセアン諸国のリーダーシップで同地域が成長している、類をみない多様化した市場であることであると原田氏は語った。
情報:THE EDGE MARKET