今年6月に、ジョホール州の地元のスーパーで購入した米(Cap Rambutan:チャップ・ランブータン)を調理した消費者が、プラスチック米の可能性があるのではないかと警察に被害届を出していたのが発端で、米に対する消費者の不安を払拭すべく、マレーシア当局は、調査対象地域を拡大していた。最初に届け出のあった米は、正常な米の成分が検出されている。
マレーシア国営通信ベルナマによれば、化学局に送られていたマレーシアのケダ州の州都アロスターにあるチャップ・ランブータンの精米・梱包工場から採取されたサンプルは、本日成分に異常なしという検査結果が公表されたという。サンプル対象は、同ブランドの精米とプレミア。さらに他の地域の工場及びセランゴール州のスーパーからもサンプルの採取を済ませ検査中としている。
食の安全に対する不安が高まるマレーシアでは、米はオイルパーム、天然ゴム、ココアに次ぐ重要な農産物であり、マレーシアの食卓になくてはならない食料でもある。政府の増産政策にもかかわらず、生産量は伸び悩み、タイ、中国、ヴェトナムなどの近隣国からの輸入に頼らざるを得ない現状である。
日本の米は、円高と複雑な経路を経て輸入される為、他の輸入米との価格競争に巻き込まれてしまい、市場進出が難しい状態が続いている。
ベトナムやタイで生産されているジャポニカ米で代用できるという風潮がある一方で、食の安全に敏感な消費者と中高所得層が増加しているマレーシアで、日本の米の需要を高めるには、競争力のある価格に抑える事と需要増加をうながす手立てを考えることが課題となる。