マレーシア損害保険協会(Persatuan Insurans Am Malaysia、略称PIAM)によれば、2015年の調査でマレーシアの自動車火災・盗難保険が一般保険市場全体の66%と占めていたというが、その自動車火災・盗難保険の一部が自由化される7月1日まで、あと数日である。
車社会のマレーシアでは、家の前に住人の数だけ車が駐車しているであろうというくらい何台もの車を見かけることが多い。車を所有すると必ず自動車保険加入が義務付けられ、一年ごとの車両税を支払う際に更新している。保険料金は、損保料率表に従い設定されており、どの保険会社と契約しても保険料は一律。現行の保険制度では保険料1リンギットに対し、保険会社が実際支払いを行っている金額が平均1.3〜3リンギットであるという。
今回の緩和化で、自動車火災・盗難保険と自動車総合保険へのタリフは撤廃されるというが、第三者賠償保険はタリフに基づき算定されるという。これにより各保険会社オリジナルの保険商品が生まれ、消費者も自分のライフスタイルにあった保険を選べるようになるという。
保険業界がより競争力がつくのは良いが、保険商品の多様化に伴い、代理店や保険外交員が保険内容を理解し、消費者へのサービスをもれなく提供できるかどうか、又、消費者が商品が複雑すぎて理解できず、本来クレームできるはずの損傷も気が付かない可能性が出てくるといったことが懸念される。一概に消費者及び業界に携わる者にとって良いとは言えないようだ。