日本の中小化粧品企業「安全」を旗印にマ市場に参入模索

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マレーシア人が化粧品やパーソナルケア用品にかける費用は、年間約96億リンギットといわれている。また、健康食品・サプリメント市場は、2019年までに260億リンギットに達すると見込まれる。

健康、美容にこだわる消費者が増加するマレーシアで、今年5月に、マレーシア保健省薬品管理局が、ガイドラインに反した有害な成分が混入されているとして、国内で流通していた化粧品7種の販売停止と回収を行っていた。

地元ビジネス週間新聞FOCUS MALAYSIAが取り上げた記事「Unscrupulous practice in health and beauty industry」によれば、マレーシアで化粧品を販売するには、 医療品サービス ダイレクター (Director of Pharmaceutical Services: DPS) による「認可」が必要とされている。

国内取引・協同組合・消費者省(Ministry of Domestic Trade, Co-operatives & Consumerism:MDTCC)やマレーシア保健省薬品管理局が定める薬事法や各種規制に基づき、化粧品製造メーカーが自主的に法令を遵守することが前提で、罰金25,000リンギット以下と禁固刑3年以下という刑罰が抑止力として違反行為を予防してきたという。

商品のモニタリングは常時行っているが、商品のチェックはスポット的に行う程度であるため、今回の有害成分混入事件は、消費者の化粧品への不振感を一層深刻化させた。

こうした問題を抱えるマレーシア化粧品業界に、日本の中小化粧品企業が参入を模索している。ジェトロ(日本貿易振興機構)を通して、市場調査とプロモーションを既に始めている。

安全性と信頼を旗印に売り込む日本勢にとって、マレーシアの市場に合った価格を設定できるか、また、そのマーケティング力が試されるのだが、中小企業は、資金、人材が限られているので、ソーシャルメディアを上手く活用しながら、実際の店舗でのプロモーションで安全、安心、高品質を売り込まなければならない。マレーシアの消費者をよく知る地元の流通業者との戦略的パートナーシップが鍵となりそうだ。