6月26日、配車サービスのGrab(グラブ、本社:シンガポール)が、電子ウォレット「GrabPay」のサービスをマレーシアで開始した。シンガポールではすでに開始されており、今後東南アジアに拡大していく計画だ。
仕組みは中国の「Alipay(アリペイ)」や「WeChatPay(ウィチャットペイ)」とほぼ同じで、QRコードをスキャンして決済する。支払いだけでなく、ユーザー同士の送金にも利用できる。
配車のスマートフォンアプリからIDやパスポートの写真をアップロードし、本人確認が済めば利用できるようになる。
クレジットのチャージは、オンラインバンキングやクレジットカードのほか、現金ならセブンイレブンでも行える。
現在、GrabPayを利用できるのは、タピオカミルクティーの「Tealive(ティーライブ)」などの飲食店や小売店だ。クランバレーのほか、ペナン、ジョホールバル、マラッカ、イポー、コタキナバル、クチン、クアンタンなど8都市、500以上の飲食店で導入されている。支払いに利用すれば、Grabと同じようなポイントも貯まる仕組みだ。
7月半ばからは、KLIAエクスプレスの運賃支払いに導入されるほか、マレーシアの銀行大手Maybank(メイバンク)との連携も発表されており、メイバンクの電子決済サービス「QRPay」の加盟店でGrabPayが利用できるようになるほか、メイバンクが提供するオンラインバンキング「Maybank2U」からGrabPayにチャージできるようになる。
現在Grabは、東南アジア8カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ミャンマー)で、配車サービス「Grab」や食品宅配「GrabFood」を展開しており、利用者は約1億人に達するという。
この既存の利用者を取り込み、電子決済「GrabPay」のシェアを拡大する計画だ。
昨年マレーシアに先駆けてGrabPayを導入したシンガポールでは、小規模な飲食店や小売店の加盟店が増えているという。